こんにちは!悠です!
以前「Stable Diffusion WebUI」で、LyCORIS(LoConやLoHa)を使えるようにする拡張機能「a1111-sd-webui-locon」を紹介いたしました。

ただ「a1111-sd-webui-locon」は2023年5月21日頃のアプデ後壊れてしまい、一切のLoRAおよびLyCORISを読み取らなくなっています。(参考記事)
加えて「a1111-sd-webui-locon」は将来的に削除される予定のようなので(参考記事)、今回はその後継作にあたる拡張機能「a1111-sd-webui-lycoris」の導入方法と使い方についてまとめていきます。

ちなみにこの2つの拡張機能は、同じ方によって開発されています!
LyCORISとは?
「LyCORIS」とは、新たなアルゴリズムを用いて作られたLoRAの亜種を統合したプロジェクト名です。
2023年4月30日時点で、LyCORISには下記の5種類が存在します。
- LoCon
- LoHa
- (IA)^3
- LoKR
- DyLoRA
これらはすべて異なるアルゴリズムをもとに製作されたLoRAの亜種で、例えばLoConやLoHaは、LoRAと比べて少ないステップ数で高効率の学習ができるといわれています。
(IA)^3、LoKR、DyLoRAは情報が少なすぎてよくわかりません。アルゴリズム自体はここに記載されていますが、LoConやLoHaと比べてどれだけ優れているのかは私には判別しかねます。
また情報がわかり次第追記していきます。
LyCORISファイルをダウンロードする方法
LyCORISはLoRAと同じように、CivitaiまたはHugging Faceでダウンロードすることができます。
Civitaiの場合フィルター機能を使えば、LyCORISだけをピックアップして検索することが可能です。
ソートして出てくるLyCORISのうち、9割がLoCon、1割がLoHaくらいのイメージです。
(IA)^3、LoKR、DyLoRAに関しては、私はまだ見たことがありません。もしこれらの3種が配布されている場所をご存知でしたら、ぜひコメント欄で教えてください!
LyCORISの見分け方
入手ルートによっては、概要欄にあまり詳しい説明が記載されておらず、自分が入手したものがLoRAなのかLyCORISなのかよくわからないことがあるかもしれません。
その場合はWebUI上から確認することができます。
花札(🎴)マークをクリックして、LoRAの右上に表示されるiマークを選択します。
LoRAもしくはLyCORISの詳細情報が表示されます。
このうち、ss_network_moduleが「lycoris.kohya」になっているものはLyCORISです。
LoRAの場合は「networks.lora」と記載されています。
ただ「networks.lora」であったとしても、“ss_network_args”: { “conv_dim”: “1”, “conv_alpha”: “1”, “algo”: “lora” }のような記述がある場合はLyCORISだそうです。
「a1111-sd-webui-lycoris」とは?
拡張機能「a1111-sd-webui-lycoris」は、WebUIで全てのLyCORISを使用できるようにする拡張機能です。
同製作者様による拡張機能「a1111-sd-webui-locon」では、最新のアルゴリズムで生成されたDyLoRAを使うことはできませんが、「a1111-sd-webui-lycoris」は上記5種類のすべての形式に対応しています。
※LoRAは「a1111-sd-webui-locon」と「a1111-sd-webui-lycoris」のどちらでも使えます。
そのため機能面だけで言えば、「a1111-sd-webui-lycoris」は「a1111-sd-webui-locon」の上位互換といえます。
「a1111-sd-webui-lycoris」の導入方法
Google Colaboratory版の場合
下記の方法で紹介している「maintained by Akaibu」のノートブックを使って、拡張機能「a1111-sd-webui-lycoris」を導入していきます。
まだご覧になっていない方は、まず最初にこちらを準備しておいてください。


git cloneでWebUIを導入するセルの中に、下記のように記述します。
#最新版のWebUIを複製 !git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui %cd stable-diffusion-webui #LoRAやLyCORISを格納するフォルダを作成 !mkdir -p /content/stable-diffusion-webui/models/LyCORIS
Google Driveに保存してあるLoRAやLyCORISを、下記の要領で読み込みます。
!cp /content/drive/MyDrive/StableDiffusion/Lora/japaneseDollLikeness_v10.safetensors /content/stable-diffusion-webui/models/LyCORIS !cp /content/drive/MyDrive/StableDiffusion/Lora/fashionGirl_v51.safetensors /content/stable-diffusion-webui/models/LyCORIS
Google Driveからモデルデータを読み込むセルの下に新しくセルを作成し、下記のコードを入力します。
#a1111-sd-webui-lycorisをインストール
%cd /content/stable-diffusion-webui/extensions/
!git clone https://github.com/KohakuBlueleaf/a1111-sd-webui-lycoris /content/stable-diffusion-webui/extensions/a1111-sd-webui-lycoris
%cd /content/stable-diffusion-webui
WebUIを起動して、いつものように花札マークをクリックし、LyCORISのタブが追加されていれば導入成功です。
使いたいLoRAやLyCORISが中にあるかどうかも確認しましょう。
ローカル版の場合
「Extensions」→「Install from URL」の「URL for extension’s git repository」に下記のURLを入力しInstallをクリックしましょう。
https://github.com/KohakuBlueleaf/a1111-sd-webui-lycoris
WebUIを再起動すれば、花札マークの中にLyCORISのタブが追加されているはずです。
ダウンロードしたLyCORISは、「~\webui\models\LyCORIS」の中に保存しましょう。
LoRAフォルダに入れたLyCORISを読み込む方法
すでに「a1111-sd-webui-locon」を導入済みで、LoRAフォルダに複数のファイルを保存している場合は、webui-user.batに下記のオプションを入れることで、自動的にLyCORISフォルダにも反映されるようになります。
--lyco-dir models/lora
「a1111-sd-webui-lycoris」の使い方
「a1111-sd-webui-lycoris」の使い方は非常に簡単です。
いつもLoRAを使うときと同じように花札マークをクリックして、LyCORISタブにある使いたいLoRAかLyCORISを選択します。
すると、<lyco:lycoris_name:1.0>という表記のプロンプトが挿入されます。
これは普段使っている<lora:lora_name:1.0>と全く同じ使い方で、数字を変えることで比重を変更できます。
ただloraの部分がlycoに代わっただけです。
なお、<lyco:lora_name:1.0>と<lora:lora_name:1.0>は同じ効果なので、LoRAを使う際に<lora:lora_name:1.0>の表記に変更する必要はありません。
階層LoRA(Lora Block Weight)との併用
以前紹介した、LoRAやLyCORISの各階層ごとに作用する値を変更できる「LoRA Block Weight」を使う場合には注意が必要です。

<lora~>を使う場合は、次のような表記でしたが、
<lora:lora_name:0.5:MIDD>
<lyco~>を使う場合は、次のように変更する必要があります。
【DyLoRAではない場合】
<lyco:lora_name:0.5:lbw=MIDD>
DyLoRAの場合はUnet weightとDyLoRA Dimを設定する必要があるそうですが、DyLoRAが現在全く流通していないので試せません。
もし運よく入手することができたら実際に試して紹介いたします。
まとめ
以上が「Stable Diffusion WebUI」で、全種類のLyCORISを導入することができるようになる拡張機能「a1111-sd-webui-lycoris」の使い方でした。
今すぐではありませんが将来的に「a1111-sd-webui-locon」は削除されるようなので、時間が空いた時にでも「a1111-sd-webui-lycoris」に移行することをおすすめします。
ちなみに「a1111-sd-webui-locon」と「a1111-sd-webui-lycoris」を同時に導入しても、特に競合することなくエラーも起きませんよ!
では、ここまで読んでいただきありがとうございました。
コメント
「LoRAフォルダに入れたLyCORISを読み込む方法」が助かりました。
理論上ないわけはないハズとはいえ、起動オプション一覧には明示されないので…。