こんにちは!悠です!
突然ですが皆さんはCEROという機関をご存じでしょうか?
正式名称は特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(Computer Entertainment Rating Organization:CERO)で、販売されるゲームソフトを審査しレーティングを設定する機関のことですね。
家庭用ゲーム機のパッケージ版を買うと必ず表面に書いてある「A、B、C、D、Z」の文字は、皆さんも一度は目にしたことがあるはずです。
今回はこのCEROレーティングによってゲームの内容が大幅に改悪されてしまったり、プレイ感が変わってしまった作品に関して触れていくとともに、「CEROって本当に必要なんだろうか?」ということについて私の考えをまとめていこうかなと思います。

あくまでも一個人の意見です!
CEROのレーティング制度の目的
CEROの公式サイトによると、レーティング制度の目的は次のようになっています。
ゲームソフトに年齢区分を表示することにより、 含まれる表現内容の対象年齢がわかるため、安心して購入し、楽しんでいただくことができます。
個人的にこれは正しいと思います。
ゲーム作品の中にはかなり過激なグロ・ゴア描写が含まれるもの、残酷な表現やいわゆる性的な表現が含まれるものもあるため、人によっては苦手な方もいらっしゃるでしょうし、自分のお子さんにはプレイさせたくないという方もいらっしゃるでしょう。
ゲームのパッケージ画像や裏面の説明を見るだけでは分からないことも多いので、アルファベットで目安を表示してくれれば一目瞭然ですよね。
ただ問題となってくるのは「レーティングの基準はどのようなものなのか?」、「レーティングの審査は一体どんな過程で決まるのか?」の2点です。
CEROによるレーティングの基準
CEROでレーティングの対象になってくる表現は、「性表現系」、「暴力表現」、「反社会的行為表現系」、「言語・思想関連表現系」の4つで、詳しくは次のようになっています。
規制の種類 | 具体的な項目 |
性表現系 | ●キス ●抱擁 ●下着の露出 ●性行為 ●裸体 ●性的なものを想起させる表現 ●不倫 ●排泄 ●性風俗業 ●水着・コスチューム |
暴力表現 | ●出血描写 ●身体の分離・欠損描写 ●死体描写 ●殺傷 ●恐怖 ●対戦格闘・ケンカ描写 |
反社会的行為表現系 | ●犯罪描写 ●麻薬等薬物 ●虐待 ●非合法な飲酒及び喫煙 ●非合法なギャンブル ●近親姦・性犯罪等 ●売春・買春 ●自殺・自傷 ●人身売買等 |
言語・思想関連表現系 | ●言語関連の不適切な描写 ●思想関連の不適切な描写 |
出典:CERO公式サイト
またこれらの各4項目には上限が設定されており、上限を超えるような過激な表現は禁止表現とされ、適用されるとレーティングが与えられない(=事実上の販売禁止)になってしまいます。
禁止表現は次の通りです。
禁止表現の種類 | 具体的な内容 |
性表現 | 1.性器及び局部(恥毛を含む)表現。 2.性行為または性行為に関連する抱擁・愛撫等の表現。 3.性的欲求を促進、または性的刺激を与えることを目的としている放尿、排泄等の表現。 |
暴力表現 | 1.極端に残虐な印象を与える出血表現 。 2.極端に残虐な印象を与える身体分離・欠損表現 。 3.極端に残虐な印象を与える死体表現 。 4.極端に残虐な印象を与える殺傷表現。 5.極端に残虐な印象を与える恐怖。 |
反社会的行為表現 | 1.テーマ・コンセプト上必然性の無い大量殺人・暴行を目的としている表現。 2.麻薬・向精神薬等の規制薬物で、医療目的等の本来の目的以外に不正に使用されることを肯定する表現 。 3.虐待を肯定する前提での虐待シーン表現 。 4.犯罪を賞賛、助長する ことを肯定する表現。 5.売春・買春等を肯定する表現、児童買春等の表現 。 6.近親姦の表現 、 強姦及びこれに準ずる意に反する性的行為等の直接的な表現、及び肯定する表現。 7.未成年による飲酒・喫煙表現を明確に推奨している表現。 8.自殺・自傷を肯定・推奨している 表現 。 9.不倫を肯定している表現。 10. 人身売買等を推奨している表現。 |
言語・思想関連表現 | 1. 一般に放送禁止用語・差別用語・不快用語に当たる言葉については、直接並びに間接的な表現や比喩も含み、中傷や蔑称に当たる用語の使用を禁止する。 常識の範囲内で、使用する場面及び前後の成り行きにより必要と認められる場合は この限りではない。 2.差別を助長する表現 ・用語 3.実在する人物・国・国旗・人種・民族・宗教・思想・政治団体を敵視または 蔑視する表現で、なおかつ一方的に非難・中傷する表現。 |
テーマ、コンセプト、システム | 必然性の無い「性」、「暴力」、「反社会的行為」、「言語・思想」の過度な取り扱い。 |
出典:CERO倫理規定
言語・思想関連表現に関してはその通りで、特に実在の人物・集団を故意に中傷するような作品をこの世に出すことは正しいと思えないのでこの基準の通りでいいと思います。
ただ、性表現、暴力表現、反社会的行為表現に関しては、「これらを徹底的に検閲して禁止するなら、なぜZ指定のゲームが存在するのか?」と思ってしまいます。
Z指定、いわゆる18歳以上の人が購入することを前提にするのならば、それはもう自己責任の上での購入なので、禁止の項目を増やして統制しても作品の表現の幅を狭めてしまうだけだと思います。

というか映画ならこの禁止表現をしているものも普通にあるので、ゲームだけガチガチにしてもなあとも思いますよね。
特に現状、正直言ってD指定とZ指定の間に大きな差が感じられないことが多いので、いわゆる「過激なエログロ」に関しては全てZ指定のゲームにして、購入するハードルを上げることが重要なのではないでしょうか。
お酒やたばこのように身分証の提示が無ければ購入できないようにすることで、D指定とZ指定のゲームを完全に別物にした方がいいと個人的には思います。
Z指定だとぼやけているので、成人指定のゲームとかの名称にしてほしいですね。
また暴力表現に関してはちょっと意味が分からないものが多いです。
例えばですが、
みたいなのって、なんでダメなのか明確に説明できる人っているんでしょうか。
特に四肢の一部がはじけ飛んだり、内臓系に関しては日本はかなり厳しいので、こういうのは全部Z指定以上のゲームでしか作れなくする代わりに、Z指定なら規制はしないという風にしてほしいです。
CEROの審査過程
CEROによるゲームソフトの審査過程は次のようになっています。
・審査員は、広く一般から募集した20才代~60才代までの様々な職業の男女で構成されていて、事前にCEROによるトレーニングを受けています。・審査員は登録制で、審査内容について守秘義務があります。・審査員にはゲーム業界と関連のある方は採用しておりません。
・審査においては、審査員の性別や年代などの属性に偏りがないように配慮しています。
出典:CERO公式サイト
またどうやら審査には「実際にゲームをプレイするわけではなく、メーカーがまとめた数十分の映像を見て、該当の表現があるかないかを判断している」そうです。(参考記事)

ゲームとは何の関係もない、というか普段はプレイしない60代の方が、ただ数十分の映像を見て決めたレーティングに果たして信憑性があるんでしょうか?
これに関しては私前々からずっと疑問だったんですよね。
ゲームのレーティングを決める上で、「ゲームを一切プレイせず」に決定するって言うことですよね?

きわどい水着の女キャラがいる!Z指定やんこれ!
みたいなノリで決めているってことですよね?
それにですよ、先ほど引用した禁止表現の「言語・思想関連表現」の中に、「使用する場面及び前後の成り行きにより必要と認められる場合」と書いてありますよね。
これってプレイもせずに前後の成り行きなんてわかるんですか?
今の大作ゲームなんてストーリークリアに50時間以上かかるものも普通にあるんですが、それを30分にまとめて「前後の成り行き」がわかるんでしょうか?
というか逆に言うとその審査VTRの中に一切暴力表現のないシーンさえ使っていれば、Z指定ゲームだってA指定にできるって言うことでしょうか。(まあそんな露骨なことは実際にはしないでしょうが)
とにかく、CEROの審査基準に関してはマジでよくわからないというのが私の考えですね。
規制によってプレイに影響が出た作品
ではここで、私が個人的に腹立たしかった、規制によってプレイに影響が出てしまった作品をご紹介していきます。
なおこれらは比較的有名な大作ゲームというだけで、規制がかかって影響が出たゲームは他にも山ほど存在します。
UNTIL DAWN -惨劇の山荘-
規制によって変わってしまった作品といえばこれは外せないでしょう。別名「暗転ドーン」です。
これは物語後半の重要なシーンに「残酷な」映像が含まれているため、その規制として映像を差し替えたりするでもなく、ただ画面を真っ黒に塗りつぶすことで対処したという伝説的な作品です。
後半は何度も画面が暗転するため「暗転ドーン」なんていう名前が付けられたんですね。
シナリオの評価が非常にいい作品だけに、プレイヤーのことを何も考えていない安易な規制方法によって賛否両論が巻き起こったゲームです。
ラストオブアスシリーズ
ポストアポカリプス系の傑作として有名な「ラストオブアスシリーズ」も、規制によってかなり変更が加えられています。
1ではとある残酷描写が存在するムービーがカットされてしまっているせいで、ストーリーの意味が良くわからなくなる事態が起きます。
また、2では敵NPCの四肢欠損表現が大幅に修正されてしまっており、海外版と比べて戦闘がまるで別物になってしまっています。
※海外版はショットガンでNPCを撃つと体がバラバラになるが、日本版ではほぼ外傷無し。
バイオハザードシリーズ
特に「バイオハザード Re:2」あたりが有名なんですが、海外版と比べて日本版ではゾンビの欠損表現に大幅な修正(内蔵、頭破裂)が加えられており、やはり戦闘感が変わってしまっています。
面白いことにこの作品はD指定の通常版とZ指定のグロ版があるんですが、グロ版の方でも当然修正されています。何のためのZ指定なんでしょうかw
ちなみに海外版の「バイオハザード Re:2」にはなんと日本語ボイスが収録されているため、海外ストアで購入すると無修正の「バイオハザード Re:2」を日本語でプレイできます。
サイバーパンク2077
性的表現とグロ表現に関して多数修正が入った(参考記事)超有名作品。
入った修正の数は非常に多いですが、有名どころの1つとしてPC版だと主人公のチ〇コをカスタマイズできるけど、家庭用版ではできないというものがあったりします。
この作品はエログロ上等の100%大人向け作品として期待されていたので、どうしても規制に我慢が出来ずゲーミングPCを購入したなんて報告もありましたね。
まとめ
これまでCEROに関して私の考えを書いてきましたが、結論をまとめると「年齢確認を厳しくする代わりに、Z指定ゲームの規制をSteamのように撤廃してほしい」ですね。
撤廃とはいかなくても、映画で出てくる程度の性表現・暴力表現くらいは許してくれるようになってほしいものです。
レーティング制度自体は全然あってもいいと思うので、もう少し柔軟に変化していってほしいですね。
言葉は悪いですが「所詮はゲーム」だと思うんですよ。「現実」とは違うんです。
なので、「ゲームの中の架空世界の表現」くらい多めに見てくれてもいいんじゃないでしょうか。
では、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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