【Stable Diffusion】「chilled_re-generic_v2」の作り方!本家ChilloutMixとの大きな違いについても紹介!

こんにちは!悠です!

 

今回は「chilled_re-generic_v2」という、ChilloutMixと非常によく似たAIイラストを生成できるモデルデータの作り方と、使ってみて気づいた特徴についてまとめていきます。

本家ChilloutMixで満足している方も、ぜひ一度は違いについて試してみてほしいモデルデータです!

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

「chilled_re-generic_v2」とは?

本家「ChilloutMix」は、利用規約として一切の商用利用が禁じられています。

 

そこで有識者の方々が商用利用可能なモデル(※1)をマージさせて、ChilloutMIxに非常によく似たAIイラストを生成できるモデルデータを作成しました。それが「chilled_re-generic_v2」です。

以下レシピ考案者様のツイートです。

 

※1:商用利用可能なモデルと表現しましたが、マージ素材のモデルの1つ「Lofi」の規約を見ると、下記のように「有償イラスト生成サービスでの使用」や「モデル自体の販売」は禁止されています。

 

また、LoRAを使用してイラストを作成する場合、そのLoRAにも規約があるため決して何でもありというわけではないと思います。

「chilled_re-generic_v2で生成した」と表記するのも絶対に忘れないでくださいね!

 

現在多くの方が「chilled_re-generic_v2」で生成したAIイラストを販売されているため、おそらく規約を遵守する限り問題はないと思いますが、このブログではあくまで「自分で楽しむ」、「SNSに投稿する」、「ブログやYouTubeで使う」といったような使い方を推奨しています。

 

マージ素材のモデルの1つ「BasilMix」の商用利用が禁止されました。

そのため現在は「chilled_re-generic_v2」の商用利用は不可です。

nuigurumi/basil_mix · Hugging Face
We’re on a journey to advance and democratize artificial intelligence through open source and open science.

 

【参考記事】

【Stable Diffusion】Civitaiのモデルデータの利用規約(商用利用等)の調べ方を考察していく!
Civitaiで各モデルデータの利用規約を調べる方法と、各利用規約に関する考察を私なりにまとめた記事です。



「chilled_re-generic_v2」の作り方

「chilled_re-generic_v2」考案者の方がTwitter上にレシピを公開してくださっているので、それを参考にして作業をしていきます。

 

まずマージ素材として使用するモデルを準備していきます。各モデルはバージョンも指定されているので注意してください。(新しいバージョンを使用すると生成結果が悪くなることもあります)

【使用するモデルデータ】

(モデル1)lofi_V1Fp16 → Civitaiでlofiと検索
(モデル2)colorful_v1.3 → Civitaiでcolorfulと検索
(モデル3)Basil_mix_fixed
(モデル4)museV1_v1 → Civitaiでmuseと検索
(VAE)vae-ft-mse-840000

 

すべてダウンロードしたらマージ作業を行っていきます。

「chilled_re-generic_v2」は3回のマージ工程を経て完成する複合モデルデータです。

 

なお、マージ作業はローカル環境で行うことをおすすめします。GTX1660Ti(VRAM6GB)でも20秒程度でマージ工程が完了するため、GPUスペックは必要ありません。

 

Google Colaboratoryでマージする場合、すべての素材データをGoogle Driveにアップロードする必要があるため、無料版の15GBストレージではかなり厳しいです。

一応1回マージが完了するたびに素材を削除していくことで対応できるため、面倒ですが無料版でも不可能ではありません。

 

ローカル版でマージする方法

「Stable Diffusion WebUI」をローカル環境で使う方法に関しては、下の記事を参考にしてください。

【2023年】「Stable Diffusion WebUI」をローカル環境に構築するやり方!低スぺックPC(1660Ti)でもOK!
「Stable Diffusion WebUI」をローカル環境に構築する方法について、できる限り詳しく紹介した記事です。Google Colabratoryのように一日の使用制限がないため、一度環境を構築してしまえば快適に遊べますよ!

 

1回目のマージ

ダウンロードしたすべてのモデルデータを「\webui\models\Stable-diffusion」に保存しましょう。

VAEに関しては「\webui\models\VAE」に保存します。

 

「Stable Diffusion WebUI」を起動し、「Checkpoint Merger」のタブを開きます。

その後下記のように設定した後、オレンジ色のMergeをクリックしましょう。

  • Primary Model(A): lofi_V1Fp16
  • Primary Model(B): colorful_v13
  • Custom name: merge1
  • Multiplier(M): 0.5
  • Checkpoint format: safetensors

 

 

2回目のマージ

1回目のマージで生成された「merge1」を使用します。

下記のように設定した後、オレンジ色のMergeをクリックしましょう。

  • Primary Model(A): Basil_mix_fixed
  • Primary Model(B): merge1
  • Custom name: merge2
  • Multiplier(M): 0.3
  • Checkpoint format: safetensors

 

 

作成時の注意点としてよく挙げられている点がMultiplier(M)です。ここにはモデルBの配分(今回はmerge1を30%なので0.3)を指定します。

 

3回目のマージ

2回目のマージで生成された「merge2」を使用します。

下記のように設定した後、オレンジ色のMergeをクリックしましょう。

  • Primary Model(A): museV1_v1
  • Primary Model(B): merge2
  • Custom name: chilled_re-generic_v2
  • Multiplier(M): 0.4
  • Checkpoint format: safetensors
  • Bake in VAE: vae-ft-mse-840000

 

 

Bake in VAEの欄にVAEを設定せずにマージしてしまうと、色あせたような画像が生成されてしまいます。

その場合は別途、WebUIのSettingsの方でVAEを設定すればOKです。

Q: VAEを焼き付けたchilled_re-generic_v2にVAEを使うとどうなるの?
A: 試してみましたが、色が強く出過ぎたりするようなことは特にありませんでした(多分)。ですので、とりあえず焼き付けておけばOKだと思います。

 

これで「chilled_re-generic_v2」の完成です。お疲れ様でした。

 

Google Colaboratory版でマージする方法

Google Colaboratoryを使ってマージする場合、下の記事で紹介しているAUTOMATIC1111「maintained by Akaibu」というノートブックを使用します。

【Stable Diffusion】AUTOMATIC1111のWebUIをGoogle Colaboratory上で使う方法!【maintained by Akaibu】
「Stable Diffusion」で、「AUTOMATIC1111」が用意しているノートブック「maintained by Akaibu」を使って、Google Colaboratory上で自分の好きなモデルデータやLoRAを使用する方法についてまとめた記事です。

 

ではまず、Google Drive内に素材となるモデルデータを全てアップロードしましょう。

 

次にノートブックを開き、Google Driveのモデルデータを読み込む欄に「chilled_re-generic_v2」の素材のパスを4つとも書き込みます。

画像では2つですが、4つ全てのパスを書き込みましょう

 

後はローカル版と同じ手順で実行していくだけです。作成したmerge1、merge2、chilled_re-generic_v2はdrive内ではなくcolab内に保存されるため、パスを追加で書き込むことなく連続でマージすることができます。

 

ただ最後に生成した「chilled_re-generic_v2をPCにダウンロードする時、おそらくかなりの時間を要すると思います。

以前Colabから144MB程度のLoRAファイルをローカルに保存する場合、だいたい20分程度かかりました。

試していないのでわかりませんが、4GB近い「chilled_re-generic_v2」を保存するのにかかる時間は凄まじいことになるかも…

 

Colab内のファイルをDrive内にコピーする方法もあるので、こういったやり方を使う方がいいかもしれません。やり方については、需要がありそうなら後日追記していきます(まだ試していないので、実際に早くなるかどうかはわかりませんが…)。

 

ちなみに「sd-1click-colab」の方に「chilled_re-generic(前バージョン)」があったので、自分でマージするのが面倒な方はとりあえず試してみてもいいかもしれません。

 

「sd-1click-colab」の使い方に関しては下の記事で紹介しています。

【2023年】美少女AIコスプレイヤーをStable Diffusionで生成する方法についてまとめていく!【ChilloutMix】
「Stable Diffusion」を使って、話題のAIコスプレイヤー風の画像を作成する方法についてまとめた記事です。実行にはGoogle Colaboratoryを使用するため、PCのスペックに関係なく試すことができますよ!

 

「chilled_re-generic_v2」の特徴

chilled_re-generic_v2」を使って複数回イラストを生成してみた感想ですが、ChilloutMixと比べて幼い顔(童顔)が生成しやすいという特徴がありました。

 

例えば下記のプロンプトで作った画像をご覧ください。

  • Model: chilled_re-generic_v2
  • LoRA: JapaneseDollLikeness
  • embeddings: EasyNegativebad-hands-5
  • Clip skip: 2
  • ENSD: 31337
  • Steps: 20
  • Sampler: DPM++ 2M Karras
  • CFG scale: 7

 

【Positive】
masterpiece, best quality, ultra high res,(photo realistic:1.4),1girl, big blue eyes, blonde hair, upper body, cute, seductive smile, young, cute, pretty, posing, looking at viewer, lustrous skin, very long hair, (18 years old), (baby face), headphones, <lora:japaneseDollLikeness_v10:0.3>
【Negative】
EasyNegative, (worst quality:2), (low quality:2), (normal quality:2), lowers, normal quality, ((monochrome)), ((grayscale)), skin spots, acnes, skin blemishes, age spot, nsfw, ugly face, fat, missing fingers, extra fingers, extra arms, extra legs, watermark, text, error, blurry, jpeg artifacts, cropped, bad anatomy

 

 

 

 

年齢を指定するプロンプトを使っても、ChilloutMixではここまで童顔にならないことが多いんですよね。

ですのでChilloutMixをこれまで使っていた方も、ぜひ一度は「chilled_re-generic_v2」を試してみてほしいです!

 

後継モデル「Chilled Remix」の登場

 

鎖城郎郭氏によって、素材にBasil Mixを使用しない「chilled_re-generic_v2」の後継マージモデル「Chilled Remix」が考案されました。

こちらもChilloutMixに非常に近いクオリティの美少女を生成することができます。

下記のHugging Faceからダウンロードできます。

sazyou-roukaku/chilled_remix · Hugging Face
We’re on a journey to advance and democratize artificial intelligence through open source and open science.



まとめ

以上が、ChilloutMIxと非常によく似たAIイラストを生成できるモデルデータ「chilled_re-generic_v2」の作り方でした。

ChilloutMixに酷似していますが、生成結果は意外と違う印象を受けましたので、ChilloutMixと合わせて使うことでまたAIイラストの表現の幅を広げることができそうですね!

 

では、ここまで読んでいただきありがとうございました。

コメント

  1. ど素人AI より:

    civitaiでchilled_re-generic_v3とchilled_re-generic_v2が公開されているのですが、これらは上記の過程を経て作られたモデルということなのでしょうか?

    • 悠 より:

      コメントありがとうございます!

      私も今調べてみたんですが、確かにcivitaiに該当のモデルが公開されてますね~。

      まずv2に関しては、おそらくレシピ考案者様以外の方が公開してると思われます(説明もほとんどないし、アップロードしている方のアイコンも別人っぽい)。なので、レシピ通りに正確にマージ出来ているかどうかはわからないですね。

      v3に関してはレシピ考案者様のツイート(リプ欄)を見つけました。
      https://twitter.com/hases0110/status/1635476497388687360

      これによるとv3はv2の正式な後継ではなく、別のユーザーがアレンジを加えたモデルだと思われます。なので、v2より優れているかは実際に使ってみないとわからないですね…