こんにちは!悠です!
今回はCivitaiのモデルデータの利用規約についての調べ方を紹介していきます。
モデルデータによって規約の量や種類もまちまちなので、使用する前には必ず一度目を通しておくことをおすすめします。

自分がイラストを生成して楽しむだけなら特に関係ないですが、SNSへの投稿や商用利用を考えている場合は必ず確認しておく必要があります。
Civitaiのモデルデータの利用規約
Civitaiの各モデルデータのダウンロードページには、そのモデルの利用規約が記載されています。
今回は例としてChilloutMixを見ていきましょう。Tagsの下にある人型のアイコンをクリックします。
モデルの利用規約が表示されます。
モデルデータによっては概要欄により詳しい規約が記載されていることもあるので、忘れずに確認しておくようにしましょう。
利用規約の具体的な内容
では、表示された利用規約を1文ずつ見ていきましょう。
Use the model without crediting the creator
モデルを使用する際に作者のクレジット表記なしで利用することに関する規約です。
許可されていない場合は、生成した画像をSNS等に投稿する場合、必ずモデルデータを明示しましょう。
#ChilloutMixなどをTwitterでよく見かけると思いますが、あんな感じで記載しておくといいですね。
Sell images they generate
モデルデータで生成したイラストを販売することに関する利用規約です。
許可されていない場合、いくら神のような画像を生成できたからと言って、有料で販売してはいけません。
Run on services that generate images for money
モデルを商用の画像生成サービスで利用することに関する規約です。
これは該当のモデルデータを使って、有料の画像生成サイトを作るといったような商売をしてはならないということだと思います。
有料の画像生成サイトでの使用自体も禁止されていると思った方がいいでしょうね。
Share merges using this model
モデルデータを別のモデルデータとマージ(統合)させて新モデルを作り、それを共有することに関する規約です。
〇〇Mixといった名前のモデルデータは、複数の素材となるモデルデータをマージして作成していることが多いんですが、そういった新モデルの素材として使用していいのかどうかですね
Sell this model or merges using this model
該当のモデルデータ、およびマージ素材として使い作成した新モデルデータの販売に関する規約です。
許可されていない場合、マージ後のモデルであったとしても販売してはいけません。
Have different permissions when sharing merges
該当のモデルデータをマージ素材として作成した新モデルデータの規約を、オリジナルのものから変更してよいのかどうかに関する規約です。
許可されていない場合、オリジナルのものから変更してはいけません。
例えばオリジナルで「Use the model without crediting the creator」が不許可の場合、マージ後のモデルでも不許可にする必要があります。
SNSへの投稿はモデルデータを明記しよう。
生成したイラストをSNSに投稿したい場合は、AIで作成したこと、また使用したモデルデータやLoRAの情報をハッシュタグ等で明記しておけば問題ないと思います。
例えば「#AIアート, #ChilloutMIx, #KoreanDollLikeness」のような感じですね。
ただ、現実に存在する人物をもとに学習させたLoRAなどを使い、明らかに不適切な画像をSNSへ投稿することは100%犯罪なので注意してください。
また、AIイラストを自分で描いたイラストと嘘をつくことも絶対にしてはいけません。
クラウドソーシングが凄いことになってた。
クラウドソーシングというネット上で仕事を請け負うサービスをご存知の方も多いと思うんですが、何気なく「(クラウドソーシングのサイト名) Stable Diffusion」で検索してみるとすごい数の依頼がヒットしました。
よくよく見ていくと、「Stable Diffusionのセットアップの手伝い」で1万円、「Civitaiのモデルデータを使って高品質なAIイラストを作成する方法」で3万円くらいという強気の価格設定のものがゴロゴロと。
しかも結構成約しているようです。
これの是非について私から言及しようとは思いませんが、下の記事を見れば30分で3万円コースと同等のものが誰でも作れます。もちろんすべて無料で見れます。

ローカル版の導入方法も、AUTOMATIC1111をGoogle Colaboratoryで使用する方法も下記の記事でまとめているので、こういったサービスにお金を払わず、新しいGPUの購入費用に貯金しておいた方が絶対お得ですよ!


アイキャッチ画像のプロンプト
- Model: meinamix_meinaV9
- embeddings: EasyNegative, bad_prompt_version2
- Clip skip: 2
- ENSD: 31337
- Steps: 30
- Sampler: DPM++ 2M Karras
- CFG scale: 7
masterpiece, best quality, absurdres, highres, official art, 1girl, upper body, face close up, green eyes, oni, oni horns,sharp_teeth, two-tone hair, black hair, silver hair, very long hair, kimono, lustrous skin, medium breasts, seductive smile, dark,blood, moon, castle, detailed background, intricate background, looking at viewer
(worst quality, low quality:1.4), (monochrome, greyscale:1.4), nude, bad anatomy, logo, EasyNegative, text, logo, watermark, bad_prompt_version2
まとめ
以上が、Civitaiで各モデルデータの利用規約を調べる方法と、各利用規約の項目ごとの内容に関する考察でした。
規約に関する解釈が違うと思った場合は、ぜひコメント欄で教えていただけると嬉しいです!
基本的に自分で楽しむ分には何も問題はないですが、それで儲けようと考え出すといろいろ調べる必要が出てくるので注意してくださいね。
では、ここまで読んでいただきありがとうございました。
コメント
悠さん、はじめまして。
ChilloutMixの使い方の記事がとてもわかりやすく、おかげさまで私も画像生成を楽しんでおります。ありがとうございます!
利用規約の解説記事、とても興味深いです。すごく気になるのが「商用利用」のそもそもの定義です。生成した画像を販売するのは明らかに商用利用なのでNGだと理解できるのですが、例えばブログやYouTubeでChilloutMixで生成した画像を掲載して紹介することは商用利用に該当するのか気になっています。ブログでは広告を貼って収入を得ているため、そのブログ上にChilloutMixで生成した画像を掲載することは、やはりそれもまた厳密には商用利用に該当するような気もします。そうなるとそもそも「ちちぷい」の存在自体もまた広告を掲載しているため規約違反になるのかが気になります。TwitterでもFantiaへ誘導して月額課金させるのも商用利用なのか?などなど考えることが尽きません…笑。ただ画像生成AIの発展のことを思うと、それくらいは許してほしいとも思っています。
決して悠さんのブログを批判する意図は一切ないのですが、悠さんご自身はブログにChillOutMixなどによる生成画像を掲載することについてはどのように思われていますか?もし可能でしたらご意見をうかがいたいです。私も自分自身のブログでぜひとも画像をたくさん掲載したいのですが、悩んでおります。。
コメントありがとうございます!
ぴょこたんさんのおっしゃっていること、非常によくわかります。広義の意味で商用利用を解釈したら、仰る通りYouTubeやブログ、SNSへの投稿、すべて該当するのかもしれません。
ですがそうなると、もはや数多と存在しているStable Diffusionでモデルを紹介してみた系のコンテンツすべてが規約違反になってしまうため、収集が付かなくなってしまいます。
なので非常に悪質な行為(AIイラストを自分のイラストと偽る、無断でイラストを有料販売するなど)を取り締まる意味でCivitaiは規約を設けているのではないか、と思います。
ChilloutMixの概要欄にも書いていましたが、AIイラストの発展にいい影響を与える、より多くの人が簡単にStable Diffusionに触れられるようなコンテンツを作成し、その中でイラストを常識の範囲内で使用することは許されるのではないかと思っています。
この問題、非常に難しいですよね。。。
悠さん、さっそくのご返信をありがとうございます!
とても納得できる見解でした。「悪質な利用を防ぐ」という意味での商用利用の禁止ですよね。フォトリアル系だと名誉権や肖像権の侵害が一番問題になりそうなのでそこに配慮していれば今のところブログ掲載は大丈夫そうですね。
おっしゃるとおりブログやメディアに掲載するのも禁止にしてしまったら、ITmediaのようなサイトも対象になってしまい、イラストや実写系の画像生成については何も語れなくなってしまいますもんね…。
最近はKindleでAI画像を販売している人を見かけますが、よく顔を見てみると商用利用NGなはずのkoreandolllikenssなどのLORAを使ってる風のものがあったり、また使用モデルを掲載していないものがほとんどで、危なかしいなぁと思っていますw
これからも記事を楽しみにしております!
>最近はKindleでAI画像を販売している人を見かけますが、よく顔を見てみると商用利用NGなはずのkoreandolllikenssなどのLORAを使ってる風のものがあったり、また使用モデルを掲載していないものがほとんどで、危なかしいなぁと思っていますw
あと、これは実際の法の解釈がどうなっているのかはわかりませんが、たとえkoreandolllikenssのモデルデータを利用していたとしても、著作権法30条の4(著作物を解析に利用してもOK)をそのまま当てはめると、一般的な利用ではなく、何らかの解析をはさみ、「人の知覚を伴うことなく」koreandolllikenssを学習している事になれば、通常の著作画像をAI学習するしている事と同じになります。
つまり、元データにkoreandolllikenssを含むという事実だけでは、利用規約違反としてkoreandolllikenssの著作者が訴えられないのではと思います。
「勝手に自分の著作物を学習するなんてずるい」という問題は、イラストレータだけでなく、AIデータの著作者にも当てはまる問題です。そもそも、イラストの利用規約であるAI禁止表示も、不当な損害を与えない限り30条の4で打ち消されてしまうとされています。
ブログ記事やYouTubeなどでの紹介で広告収入を得ている場合は「商用利用」にあたりますので、生成画像の販売と変わらずケースバイケースだと思います。親告罪ですので、訴えられた場合に裁判でどう解釈されるかだけでしょう。ただし、良く言及されるように、(広告収入の商用ではあるが)比較分類の研究や報道としての引用として認められれば、たとえ利用規約が禁止していても上位の法律が上書きできるはずです。
またLoRAや学習モデルファイルの利用も、今の国内の法律では(譲渡や解析データ自体の著作権などの条件はありますが)合法になっています。問題になるのは生成物が類似している場合です。大雑把に言えば、著作物含む可能性のあるデータを利用しても、著作権だけで言えば、似ていない場合は問題になりません。今の大手のデジカメのAIデノイザー、AI顔認識プログラム、すべて無許可の著作権・肖像権を解析元データに含みますから。
ただし、LoRAを利用して「似ていない」利用法があるのかは別問題でしょうが…
最近危惧している事は、この手の議論の中で「悪質」「悪質ではない」「常識の範囲」で判断する人が多いという事です。もちろん大切な事ではあるのですが、高度な技術ほど法解釈によって180度「悪質」が変わります。
たとえば、LoRAや著作物を利用しない学習ファイルで、著作物に似せたAI画像を故意に作れば100%アウトになります。むしろ日本の法では、2018年の法改正で、著作物を元データに含むことはあまり問題にならない方向の法づくりになっていますので、LoRAや著作物を学習したモデルを使えばアウトという判断よりも、画像生成においては、「似ているかどうか」に警笛を鳴らした方が良いのではと思います。
悠さん、はじめまして。
毎回毎回有用な記事を描いてくださいありがとうございます
この記事で思ったんですがツイッターなどでAI利用禁止と明言してるイラストレーターの方も多いですよね
その方たちの規約はこの人たちは守ってるのでしょうか そこが気になります
法律的にはどちらも罰せれるようなことではないので少し気になってしまいました
コメントありがとうございます!
「この人」たちというのはLoRAやモデルの製作者の事でしょうか?
そういう前提で考えてみますと、Civitaiには絶対にそれを使用してSNSに公開してはいけないようなLoRAもあります。(明らかに現実に存在する著名人を学習させているようなもの)
このレベルのものまで存在する以上、AI利用禁止を実際に守ってモデルやLoRAを作成しているかは使用者の良識によるのではないでしょうか。
モデルデータの製作には莫大な数の画像データを使っていると思うので、調べることもできませんしね。
ちょっとソースの記事を忘れたんですが、自分が作成したイラストをAIが学習できないように仕掛けを組み込むプログラムが開発されているらしいです。ほとんど作成したイラストの画質に影響を与えないらしいので、今後はこういった手法が普及していくのかもしれませんね。
>クラウドソーシングが凄いことになってた
>「Stable Diffusionのセットアップの手伝い」で1万円、
>「Civitaiのモデルデータを使って高品質なAIイラストを作成する方法」で3万円くらいという強気の価格設定
>下の記事を見れば30分で3万円コースと同等のものが誰でも作れます。もちろんすべて無料で見れます。
>こういったサービスにお金を払わず、新しいGPUの購入費用に貯金しておいた方が絶対お得ですよ!
ごもっともですね、、、
少し調べれば分かるのにIT系に疎い人はその「少し調べる」が出来ない
そこにつけこんでぼったくる人達がいることが残念です
セットアップで1万ってアンタw
コメントありがとうございます!
セットアップ1万円はやばすぎますよね…
しかも3万円コースの「Civitaiのモデルデータを使って高品質なAIイラストを作成する方法」って要は、モデルDLしてプロンプト教えるだけですよね?差分2万が高すぎますよ(涙)
VRAM12GBのRTX3060がアマで5万くらいなので、比較するともう…(絶句)
Tagsの下に何もアイコンがないモデルが結構あるのですが、その様なモデルの利用規約はどのような状態かわかりますか?
コメントありがとうございます!
アイコンが何もないやつは、確か制限なしのものだったはずです!
迅速な回答ありがとうございます
全て緑色のチェックが付いたモデルを見かけなかったので、
アイコン表記のない物は制限がないのかと思っていましたがやはりそうでしたか