こんにちは!悠です!
2023年8月31日、AUTOMATIC1111氏による「Stable Diffusion WebUI」がVer1.6.0に更新されました。
そこで今回は、Ver1.6.0で追加された新機能について簡単にまとめていきたいと思います。
あくまで個人的に気になった部分を中心にまとめていくので、必ずリリースノート自体にも目を通しておいてくださいね!

DPM++ 3M SDE Karrasなど大量の新サンプラーが追加されましたよ!
なお、Ver1.6.0のコミットは「5ef669de080814067961f28357256e8fe27544f4」です。
Ver1.6.0の更新でエラーが出る場合
今回もいつものようにgit pullコマンドで、Ver1.5.2からVer1.6.0にアップデートしたんですが、コマンドプロンプトを埋め尽くすほどの大量のエラー(CUDA、bitsandbytes絡み)が発生してWebUI自体が起動しなくなりました。
ただ一度venvフォルダを削除し、webui-user.batを起動して再度インストールする(venvフォルダを作り直す)ことで問題なく起動するようになりました。
Ver1.6.0の更新に躓いている方は、ぜひ試してみて下さい。
Ver1.6.0で追加された新機能
Ver1.6.0で追加された新機能は、マイナーチェンジやバグ修正も含めるとこれまでのアップデートの中でもかなりの量になっています。
その中で、特に私が重要だと思ったものについてまとめていきますね。
Refinerへの対応
RefinerはSDXL専用の技術で、SDXLで生成した画像に追加処理を行うことで画像のディテールを上げることができます。
ver1.5.2以前は拡張機能を導入する必要がありましたが、WebUI本体で対応したようです。
最近はRefinerを使わないSDXLモデルも増えているようですが、ユーザーにとっては更に使いやすくなりましたね。

VRAM6GB民の私は、WebUIでSDXLを使えないため関係ないですが(涙)
複数の新規サンプラーが追加
おそらくVer1.6.0における一番の目玉だと思うんですが、下記のように大量の新規サンプラーが追加されました。
- Restart
- DPM++ 2M SDE Exponential
- DPM++ 2M SDE Heun
- DPM++ 2M SDE Heun Karras
- DPM++ 2M SDE Heun Exponential
- DPM++ 3M SDE
- DPM++ 3M SDE Karras
- DPM++ 3M SDE Exponential
サンプラーを変えると、同じプロンプトでもかなり味の違う画像が生成されるため、これでまた表現の幅が広がりましたね。
ただ試しにDPM++ 3M SDE Karrasを中心に少し画像を生成してみたんですが、2M Karrasなどと比べてステップ数を増やす必要があるかもしれません。

この辺は更なる研究が必要ですね!
LoRA周辺のUIが大幅に変更
LoRA周りのUIが大幅に変更され、これまでの花札マークをクリックして選ぶ形式から、ネガティブプロンプト下のタブを切り替えて表示する形式になりました。
特にWebUI初心者の方に優しいアップデートだと思います。これまでもなんで花札がLoRAなのか疑問でしたからねw
ちなみにHires.fixもアコーディオン形式に変更されました。アコーディオンを開いていると自動的に有効化されるので注意してください。
Style Editor機能の追加
いつもよく使うテンプレプロンプトを保存しておけるスタイルに、エディット機能が追加されました。
これまではstyles.csvを手作業で編集するか(超めんどい)、下記のような拡張機能を導入する必要がありましたが、ついにWebUI単体でスタイルを編集できるようになりましたね。

Generateボタンの下にある筆マークから、スタイルの編集が可能です(スタイルの適用もここから行います)。
モデルの詳細閲覧・メモ保存機能
Ver1.5.0で追加されたLoRAの詳細表示機能と同じようなものが、モデルの方にも追加されました。
checkpointタブからモデルを選んで、右上に表示される設定ボタンを押せば閲覧可能です。
そのモデルに関する重要なメモを残すことも出来ますね。
またPreferred VAEにモデルごとに使用したいVAEを個別に設定しておくと、生成時いちいち選ばずに自動選択してくれます。
これはQuicksettings Listで設定しているVAEより優先されるため、「いつもは840000を使っているけど、このモデルだけはkl-animeにしたい」というような場合に試してみて下さい。
規格の違うGPUで同一画像が生成可能に
これまで完璧に同じ条件(プロンプトやSeedなど)を使用しても、NVIDIAとAMDのGPUでは違う画像が生成されていました。
ただリリースノートには、「allows to generate same pictures on CPU/AMD/Mac as on NVidia videocards(CPU/AMD/MacでNvidiaビデオカードと同じ画像を生成できる)」と記載されていました。
そのためVer1.6.0以降は、異なるGPU間で同じ画像を生成できるようになったのかもしれません。(未確認)
【追記】
Settings → Stable Diffusionの中にあるRandom number generator sourceをNVに設定することで、CPU/AMD/MacのPCでもNvidiaのGPUと同じ画像を生成できるらしいです。
メタデータにVAEの情報が含まれるように
画像生成に使用したVAEの情報がメタデータ内に記載されるようになりました。
DDIMがSDXLで使用可能に
DDIM、PLMS、UniPCのサンプラーに改良が加えられ、img2imgおよびSDXLでの使用、AND構文の適用が可能になりました。
Inpaintマスクの色が変更可能に
マイナーアップデートの中にひっそりと入っていて最初は気づきませんでしたw
これまでInpaintマスクの色は黒の不透明で固定でしたが、デフォルトで白の半透明になり、更に色を自由に変更できるようになりました。
色の変更はSettings → img2img → Inpaint mask brush colorで行うことができます。
Gradioテーマの大幅追加
Settings → User Interfaceの中にあるGradio themeが大幅に追加されました。
ぱっと見、従来の2倍くらいの量になっています。
ブラウザが自動的に立ち上がるように
Settings → System → Automatically open webui in browser on startupをLocalに設定しておくことで、webui-user.batを起動時、ブラウザが自動的に立ち上がるようになりました。
そのためcommandlineに–autolaunchを入れる必要がなくなりました。
Ver1.6.0導入後に生じたバグ・不具合など
私の環境(2023/9/1)では、拡張機能「sd-webui-depth-lib」が動かなくなりました。
また「wd14-tagger」はとりあえず無事に動作しますが、何かのエラーがコンソール上に常に表示されています。
それ以外の拡張機能は特に問題ありませんでしたが、インターネット上でも不具合で様々な拡張機能が動かなくなったというような報告があったため、大量に拡張を入れている方は危ないかもしれません。

致命的なものは特になかったので、個人的にはgit pullして大丈夫だと思いました。
まとめ
以上が、AUTOMATIC1111氏による「Stable Diffusion WebUI」のVer1.6.0で追加された新機能の紹介でした。
今までサンプラーは2M Karras一択でしたが、今回追加された大量の新規サンプラーを試してまた新たな境地を開いていきたいです!
今までのアプデに比べて若干リスクがありそうなので、まとまった時間があるときにでもぜひ試してみて下さいね!
では、ここまで読んでいただきありがとうございました。
コメント
1.6.0アップデートしようとするが
CUDAセットアップ、bitsandbytes絡みでエラーが出ます
今まで導入していたCUDAライブラリ(11.8)ではだめなんでしょうか
こんにちはです!
まさに私もそのエラーでWebUIが起動できなくなりましたが、venvを一度消して入れ直すことで無事解消されました!
ぜひ試してみて下さい!
こんにちは
最近SDに興味を持ちこちらのサイトで大量の記事に興奮しながらあれこれいじっております。
本記事にある「wd14-tagger」拡張は、別記事でも紹介されていたtoriato氏がメンテナーを辞めてアーカイブ化されたようです。今後はフォーク先のpicobyte氏の「wd14-tagger」拡張を利用するのが推奨されてるようです。
https://github.com/toriato/stable-diffusion-webui-wd14-tagger/issues/108
こんにちはです~!
情報ありがとうございます!taggerは本当に簡単に画像からプロンプトを抽出できるので重宝しています。
私もついこの間気づいてフォーク先を入れ直しました!超有用な拡張ですので、フォーク版として存続してくれるのは嬉しい限りですよね!
フォーク版taggerも若干コンソールにエラーが表示されているんですが、使用に当たっては特に問題なさそうなのでで安心しました。今後のアプデでこちらも解消される気がします(*’ω’*)
1.6.0をcolab版のラストベンを使っていますが、SDは起動しますがモデル、Vaeを読み込まなくなりましたね。LoraやLycoもエラーで読み込まなくなって、試しに画像生成を押しても反応なし。アプデ後はなかなかうまくいきませんね。
こんばんわ!
いつもお世話になっております!
1.6.0アップデートしようとしてるのですが、
CUDA Setup failed despite GPU being available. Please run the following command to get more information:
python -m bitsandbytes
などのエラーが出ます。
venvを削除したりいろいろ試しましたができません、、
こんばんはです~!venvを削除するのと合わせて、extensionsの中に格納されている拡張機能を一度別の場所に移動させてからもう一度試してみるとどうでしょうか?
拡張機能が悪さしている可能性もあるかもしれません。削除するのではなく別の場所に退避させておくと、いざ戻すときに再インストールしなくていいので楽だと思います!
早々の返信ありがとうございます!
複数個、不要な拡張機能を削除してvenv削除したらアップデートできました!
ありがとうございます
同症状で困っていたのですがこちらのやりとりを参考に解決できました!
ありがとうございます!
はじめまして。
直近でStable Diffusionを始めたばかりです。
「wd14-tagger」についてお伺いしたいのですが・・・
「https://github.com/toriato/stable-diffusion-webui-wd14-tagger」のインストールを完了し、webui-user.batの再起動も済ませていますが、タブに「Tagger」の表示がされず、困っています。
Loraの場所が変わったように、Taggerもどこか違う場所にあるのでしょうか。
こんばんはです!
そのリポジトリは現在更新停止しているため、公認フォーク版の下記のURLの方をインストールしてみて下さい!
https://github.com/picobyte/stable-diffusion-webui-wd14-tagger
こちらなら動作すると思います!
返信ありがとうございます。
無事タブにTaggerが表示されました。
調べてもその答えにたどり着けなかったので大変助かりました!
誠にありがとうございました。
こんにちは。
Ver1.6.0で、スタイルを保存するフロッピーディスクのアイコンが
無くなったのですが、今表示しているスタイルを1クリックで
新しく保存する方法は無くなってしまったのでしょうか。
こんにちはです~!
うーん、ぱっと見なくなってそうですね…
ちょっと面倒ですが筆マークからスタイル設定画面を開いてコピペする必要がありそうです。
私が気づいてないだけの可能性もありますが…
返信ありがとうございます。
ですよね。筆マークから画面開いて
コピペするしかないかなと思っています。
プルダウンで選択し、左下矢印でロードできますが、筆マークを押してのポップ画面で、保存名のプルダウンがグレーアウトして選べない状態です。同じ動きでしょうか?
Ver1.6.0になって画像生成をしようとすると「NotImplementedError: Cannot copy out of meta tensor; no data!」と表示されて画像生成ができない状況なのですがこちらのエラーを解消させる方法ご存じないでしょうか?
起動はこちらのリンクのOPEN IN COLABから行っております。
https://github.com/ddPn08/automatic1111-colab
こんにちはです!
Colabはもう結構な長いこと触っていないのでちょっとよくわからないですね…
申し訳ございません!
ただ私が使っている時もアプデ直後はよくエラーで起動できなかったので、数日待てば直る可能性もあるかもしれませんね。
Stable Diffusionのアップデートでエラーが起こるのは主にwd14-taggerが原因のようです。
Stable Diffusion1.5(taggerインスト済み)からアップデートするとエラーが表示されます。
新規でStable Diffusion1.6をインストールし動作確認後、wd14-taggerをインストールするとエラーが表示され動作が不安定になります。
wd14-taggerがインストされているファイルを削除し下記のサイトからファイルをダウンロードしファイルを入れ替えて再起動させればtaggerが使えるようになります。
url:https://github.com/picobyte/stable-diffusion-webui-wd14-tagger/releases